★ 2004/10/14(Thu)  sayonara No.500

"sayonara"

と 面と向かっていえないあたし
意気地なし

今この人を失ったら
あたしにはなにものこらない

それでも
次の可能性にかけてみる?

職場とアパートの単調な往復の中に
だけどいったい何があるの?

それでも・・

もうだめなのかもしれなかった

もう行き止まりなのかもしれない


★ 2004/10/13(Wed)  縮まる世界 No.499

これ以上一緒にいすぎると二人ぼっちになってしまう

と あなたは言った

あたしは
あなたが出ていけば

ただ ひとりぼっちになるだけ

仲間のところへ行けばいいというけれど
あたしには仲間がいないの
一緒に飲みに行っているのは
ただの同僚
仲間なんかじゃなくて
あたしが去ったら忘れられてしまうだけ

だったら
あたしがいなくなればいい

そうすればあなたは
仲間と一緒にいられるから

だけどこわがりのあたしは
さよならを告げられませんでした

★ 2004/10/12(Tue)  嘔吐 No.498

久しぶりに
食べたものを吐き出しました
そして すこしだけ

ゆっくりと眠りました

★ 2004/10/07(Thu)  そして No.497

そして誰もいない
鳴らした電話が
あたしをひとりにした

まだ

また

この腕を掻き切って
寂しさがまぎれるのなら

・・・耐えられない
静かな"PANIC" 

誤解しないで
誰のせいでもないから

腕のかすかな痛みだけが あたしのともだち


★ 2004/10/06(wed)  足りない No.496

足りない たりない

朱赤が足りない

流れる涙が足りない
あたしは脂肪に包まれて
血管さえ見失った


★ 2004/09/30(Thu)  夜の朱赤 No.495

ひとり夜に放り出されて
引っ掻いた腕にひとしずく

つ と流れて

あたしは
こんなんを望んでるんじゃない

ただ

ただ

取り戻したいだけ
何かを

のどを裂くには
あたしのちからは弱すぎて


水をながめる
それは
水はうつを誘発するからよくないんだよ と
あたしは伝えるすべを知らない

あたしは正常なのか
自分を傷つけることは
正常の範囲に入るのか


血が 見たい

あたしの血が
流れて流れ尽きて

なくなるまで

・・・ボーダー


★ 2004/09/16(Thu) 薄っぺら  No.494

この薄っぺらなカッターで
さよならを告げられたらどんなにいいだろう・・・

どうして
生きてなくちゃならない

明日の朝
目を覚まして仕事に行かなきゃならない?

この薄っぺらなカッターで
自分をなかったことに切り裂いてしまえたら


この薄っぺらなカッターで


誰も いないの


あと 一筋だけ
もっともっと 血を流せたら
あたしはあたしにきっと許される

そして
周りは悲しむ

あたしは
誰にあわせて生きればいいの


★ 2004/08/31(Tue) dead  No.493

台風の風音を聞きながら
あたしは死にたい

★ 2004/08/30(Mon) SWEET  No.492

ある人の追悼本を見て

ああ このひとはなくなったのだった と


あたしは生きているのに

それはとても恵まれていることで
それはとてもありがたいことで

それはとてつもなく残酷なこと
 

★ 2004/08/25(Wed) 朱赤 No.491

不安で不安で

久しぶりに流れたあかいなみだは
とろとろとひざをあたためて シーツを染めて

もっと もっと ・・

こののどくびを掻き切って
いっそ戻ってこられない場所へ


★ 2004/07/28(Wed) no name No.490

この想いに
名前など付けられなくて

あなたの好き は
自分に言い聞かせてるだけのようにしか聞こえなくて・・

知ってる
あたしはあなたの手には負えない
でも
あのひとはあたしを受け入れられない
あたしはあなたとならきっとしあわせになれて
でもあなたは幸せにはなれなくて

あのひとといてもあたしはしあわせにはなれなくて
ただ夢だけがつもっていく

逢いたかった
もう少し早く
あのひとが誰かを好きになる前に
あたしがあなたを好きになる前に

そして
遠い町にいるあのひとは
今頃どうしているんだろう
遠い町にいるあのひとだけには
もうしあわせになっていて欲しいの
あなたはもうじゅうぶん 苦しんでいたから

あたしはあなたの年に追いついて
あなたの苦しみを追体験して
それでもあなたはまだ先にいる


さよなら





★ 2004/07/26(Mon) 貴方ニ贈ル No.489

たとえば貴方は
あたしがしなないと思っているでしょう

あたしは死ねないから
この腕を切り裂くのであって

死ぬつもりがないわけじゃないのよ

貴方は安心しているけれど


未遂経験者の既遂率は高い。
腕を切るのは心臓を切ることの代替行為。


貴方は知らないけれど



時期じゃないだけ



★ 2004/07/07(Wed) 切り裂く No.487

腕を 足を 首を 裂いて

あたしは気づいて欲しいの


あなたではなくて
あのひとに
あなたはただ心配するだけだから
自分のせいだと思うから

そうじゃないから・・・


たとえばそれは恋じゃなくて
ただ 仲間として

だけど
あたしは探してしまう
あのひとの姿を

そして
あなたといるときにはきれいさっぱり忘れてる
この気持ち

なんて表現したらいい?

 



★ 2004/07/05(Mon) うすっぺら No.486 

薄っぺらなカッターでただ血が見たくて




★ 2004/05/17(Thu) 頚動脈 No.485 

あたしはただ死にたくて
誰の後追いでもなく
ただ死にたくて

でもあたしには薄っぺらいカッターと
頚動脈の位置さえわからず
深さもわからず。

あたしは

なにもしらない

 
 



★ 2004/03/20(Sat)  いい子 No.484 

いい子だった
知らなかったけど。

いい子だった
気づかなかったけど。

いい子だった。
今でもだけど。


きゅうくつ だよ。
いきが つまって
いまにも しにそう なの。

どうせなら
いっそ ひといきに。 
 



★ 2004/03/18(Thu)  みらい  No.483 

「手垢のついた剃刀じゃ 未来も切り開けないってわけ」 (矢井田瞳 「一人ジェンガ」)
                     

さび付いたメス こすれてゆがんだ刃

新しい「未来」を開く?

何を使いますか

カッターか
メスか
剃刀か
包丁か

それとも別の
たとえばご機嫌なスクーターとか。


未来

揺れる 
 



★ 2004/03/17(Wed)  安心 No.482 

あたしは血に飢えたヴァンパイア
血を見ようとしてあがき
手の甲 人差し指の付け根が紅くはれた

ああ でもこれで
あたしの罪は償われた

こんやもあたしは
残された数時間を
安らかに眠ろう

願わくば
寝てはいけないときに寝てしまわないことを祈りつつ。


死んでしまえ
あたしなんて。


 
 



★ 2004/03/15(Mon)  欠陥品 No.481 

異質

欠陥

邪魔


死ねよ。 
 



★ 2004/03/11(Thu)  あたしはなにをしているの No.480 

のどのおくには指
便器には顔

を つっこんで。

飲んだばかりの薬も全部吐いてしまった

もう いやだ。
こんなにまでしても減らない体重

自分が許せない

がりがりにやせ細って
苦しんでいるあの子の代わりに

がりがりにやせ細って
あたしが死ぬの

実際はぶくぶくと醜い肉塊
その矛盾が許せない 
 



★ 2004/03/10(Wed)  haru no hajime No.479 

道端に花が咲いていた
沈丁花のにおいがした

だけどあたしには
それを愉しむだけのちからが残っていなかった

目の端にとめて
鼻腔の奥に感じて

ただ通り過ぎる
余裕のない時間の重積

だけど
左折する車が突っ込んできたときに
あたしは突っ込めなかった

自宅の庭に沈丁花が咲いていたことを思い出したから

そんなことでこの世に引き戻されたのかと思うと
たまらなく悔しい


バイクで事故ったときも
ムチャな運転を繰り返していた

死にたかったんだ
死に急ぎたかった

なのにあたしはまだ生きていて
春は命が芽吹く季節

あまりにもつらいこの陽の光 
 



★ 2004/03/09(Tue)  夕暮れ No.478 

いつもより遅い帰り道
学校帰りに抜ける住宅地で

さかなの焼ける匂い
おみそ汁の匂い

ふいになきたくなった


あたしはいつから
こんなにおいから遠ざかっていただろう?


さっき別れたあの子のうちでも
こんなにおいがただよっていますように 
 



★ 2004/03/08(Mon)  喧騒 No.477 

教室はいつまでも騒がしくて

だけどあの子はいないのに
あの子はいないのに

教室は何事もなかったかのように

教師も
生徒も

皆


残酷までに冷酷な

前に進んでゆく

現実
これが 
 



★ 2004/03/04(Thu)  籤 No.476 

K駅で人身事故があった。

また、外れた。
あたしじゃない。

あたしはどこまでもくじ運につかないらしい。

運がいいのか、悪いのか。


今日の籤は
あたしじゃなかった。

今年2度目の人身事故。 
 



★ 2004/03/02(Tue)  いかないで No.475 

行かないで
いまこのつながりを

ようやくできたひとつのつながりを
切らないで

あたしはこの部屋に取り残されて
眠気さえ来てはくれずに

しろいぬいぐるみを抱いて
子どものように
子どものころには決してしなかったことを

ぬいぐるみをだいて
子どものように

どうして 泣いているの?

失われた時間を
消えてしまった時間を

返して
この手に 
 



★ 2004/03/01(Mon)  たとえば、いま、ここで No.474 

たとえば、いま、ここで。

何もかもに嫌気がさして
それでも生きていかなくちゃならない

知ってる

死にたい人は死ねない
死にたくない人は死んでいく

その理不尽さにイライラしながら
どうしようもなくて また嫌気がさしてくる


目の前に死を目前にした人がいて
それで自分が死にたいなんて どうしていえる?

たとえば、いま、ここで。

今日はあの人のお通夜です。 
 



★ 2004/03/01(Mon)  暗闇 No.473 

ここは狭くて
ここは暗くて
ここはひとりぼっち

おねがいだから そばにいて

いかないで

いってしまうと思ったときに
かなしくなかった あきらめていた
でも なみだが あとから あとから


そしてあたしはでてきてしまった

ひとりの場所に
心地いいと感じていた場所に

さびしくてたまらない場所に 
 



★ 2004/02/26(Thu)  夜 No.472 

ひとりの夜は大嫌い
ひとりの夜が気楽でいい

・・・わからない。

ただ、からっぽ。 
 



★ 2004/02/26(Thu)  蝉 No.471 

踊り場にせみが転がっていた。

いつからいたんだろう?
夏の終わりに、同じ踊り場に転がっていたあのせみだろうか。

猫さえあがってこない3階の踊り場で
コンクリートの排水溝に
土にも還れずに

もうすぐ冬も終わるというのに